マーケティングの不変法則「売れるもマーケ当たるもマーケ」

本日紹介する本は、こちら売れるもマーケ当たるもマーケ(著 アイル・ライズ、ジャック・トラウト 訳 新井 喜美夫 出版 東急エージェンシー)。

初版は1994年ですが、2019年の現在までに44版増刷されている超ロングセラーの本です。

本を探す時に「最近発売された人気の本」を探しがちですが、こうしたいわゆる「古典」が読まれ続けるのにはそれだけの理由があります。

読まれ続けるのは「その分野の普遍的な内容」が書かれているから。

「普遍的な内容」と聞くと「当たり前のことしか書いていない」と思う方もいると思いますが、だからこそ「長く使える技術」なのです。

一方で、「すぐに使える技術」は「廃れるのも早い」です。

なぜなら、他の人もすぐに使えるので「技術」が一般化され、すぐに旬ではなくなるからです。

だからこそ、古くから読まれ続ける本には「一見の価値あり」あります。

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『売れるもマーケ当たるもマーケ』概要

著者たちは、書物や記事、公演、動画を通じて、マーケティングの基本原則を詳細に分析しています。

人げのマインドについて具体的モデルを含むマーケティング作業の戦略モデルを開発して、「ポジショニング」というコンセプトの下に世に広めてきました。

開発した市場の軍事モデルによって企業やブランドはマーケティング戦争において攻撃、防御、迂回、さらにはゲリラ作戦を選択できるようになりました。

そして、著者たちの長年にわたるマーケティングの原則や問題点の研究を経て、「マーケティング不変の法則」という22の法則を見出しています。

ポジショニング(Positioning)

見込み客の心の中に、その商品の位置付け(ポジショニング)を行うことである。ポジショニングには、有形の商品、サービス、企業、組織、人の場合もありうる。このポジショニングを知ることにより、競合他社との位置関係や、その位置付けの意味を知り、自社の戦略を立案することができる。

例えば、自社のポジションを知り、差異化、特異化を押し進めていれば、他に追従されない独自のポジションを獲得することも可能となる。

このように企業は、見込み客の心の中にひとつのポジション、すなわちその企業の強みや弱みをこのポジショニングで知るだけでなく、競合他社との比較上の違いをつくり出すことができる。

「売れるもマーケ当たるもマーケ」p.6より

マーケティング22の法則

  1. 一番手になることは、ベターであることに優る。
  2. あるカテゴリーで一番手になれない場合には、一番手になれる新しいカテゴリーを作れ。
  3. 市場に最初に参入するより、顧客の心の中に最初に入るほうがベターである。
  4. マーケティングとは商品の戦いではなく、知覚の戦いである。
  5. マーケティングにおける最も強力なコンセプトは、見込み客の心の中にただ一つの言葉を植え付けることである。
  6. 二つの会社が顧客の心の中に同じ言葉を植え付けることはできない。
  7. 採用するべき戦略は、あなたが梯子のどの段にいるかによって決まる。
  8. 長期的に見れば、あらゆる市場は二頭の馬の競争になる。
  9. ナンバー2の座を狙っている時は、ナンバー1の在り方によって決まる。
  10. 時の経過とともに、一つのカテゴリーは分割し、2つ以上のカテゴリーに分かれていく。
  11. マーケティングの効果は、長い時間を経てから現れる。
  12. ブランドの権威を拡げたいという抗いがたい圧力が存在する。
  13. 何かを得るためには、何かを犠牲にしなければならない。
  14. あらゆる属性には、それとは正反対の、優れた属性がある。
  15. ネガティブな面を認めたなら、顧客はあなたにポジティブな評価を与えてくれる。
  16. 各々の状況においては、ただひとつの動きが重大な結果を生む。
  17. 自分で競合相手のプランを作成したのではない限り、あなたが将来予測することはできない。
  18. 成功はしばしば傲慢につながり、傲慢は失敗に繋がる。
  19. 失敗は予期することもできるし、また受け入れることもできる。
  20. 実態は、マスコミに現れる姿とは逆である場合が多い。
  21. 成功するマーケティング計画は、一時的流行現象(ファッド)の上に築かれるのではなく、トレンドの上に築かれる。
  22. しかるべき資金がなければ、せっかくのアイデアも宝の持ち腐れとなる。

マーケティングとは、「商品を消費者に効率よく売り込む仕組み」です。

この原則にとると、マーケティング活動全般に適用できる法則を見出すのは困難になります。

そのマーケティング状況に抗い、「マーケティングには普遍の法則が存在する」と宣言しているのが本書「売れるもマーケ当たるもマーケ」です。

日本でも過去に起こったブランドバトルにおける多くが、本書で述べられている「マーケティング22の法則」に基づいて展開されていることから、その有効性は明らかであると言えます。

「迷った時は原点に立ち戻れ」という言葉の通り、マーケティングをはじめ諸々のビジネス活動で行き詰まった時に、この「売れるもマーケ当たるもマーケ」はオススメです。

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