数ある成功者のインタビューの中で多くの人が語るのは、成功した要因の他にずば抜けた才能を持ちながら、挫折したり、興味を失って辞めてしまう人の話でした。
その一方で、驚異的な粘り強さで頑張って、みごとに結果を出した人たちの話も多いです。
いったい両者の違いはどこにあるのでしょうか?
『GRIT』(著 アンジェラ・ダックワース,ダイヤモンド社)の著者であり、GRIT(グリット)の提唱者であるアンジェラ・ダックワースは、「情熱」と「粘り強さ」を合わせ持っていることだといいます。
つまり、「グリット」(やり抜く力)が強かったのです。
どんな分野であれ、大きな成功を収めた人たちには断固たる強い決意があり、それが2つの形となって現れていた。
第一に、このような模範となる人たちは、並外れて粘り強く、努力家だった。
第二に、自分がなにを求めているのかをよく理解していた。
決意だけでなく、方向性も定まっていたということだ。
引用:Kindle版 p328 「やり抜く力」の秘密
2倍の才能があっても、1/2の努力では負ける。
引用:Kindle版 p927 努力は「二重」に影響する
著者によると、「才能」とは、努力によってスキルが上達する速さのことであり、「達成」とは修得したスキルを活用することによって現れる成果のこと。
「才能」すなわち「スキルが上達する速さ」は、目的を達成するために重要ではあるが図の用に「努力」が2回かかっています。
つまり、「スキル」を身につけるにも「達成」に行き着くにも「努力」が必要不可欠ということなのです。
- <才能×努力=スキル>
- <スキル×努力=達成>
努力しなければ、たとえ才能があっても宝の持ち腐れ。
努力しなければ、もっと上達するはずのスキルもそこで頭打ち。
努力によって初めて才能はスキルになり、努力によってスキルが生かされ、さまざまなものを生み出すことが出来る。
引用:Kindle版 p1025
GRIT(グリット)を強くする4つのステップ
「情熱」と「粘り強さ」からなる「やり抜く力(グリット)」を持っている人たちには共通する4つの特徴があります。
ものごとを途中でやめるときの4つの理由とは正反対で、年月とともに1から4の順番に強くなっていきます。
- 興味
- 練習
- 目的
- 希望
GRITを強くするステップ1:興味
自分がやって言うことを心から楽しんでこそ「情熱」が生まれます。
目標に向かって努力することに喜びや意義を感じるからこそ、尽きぬ興味と好奇心をもって続けられるのです。
GRITを強くするステップ2:練習
「粘り強さ」の一つの現れは、「昨日よりも上手くなりたい」と日々の努力を怠らないことです。
自分のスキルを上回る目標を設定してそれをクリアする「練習」必要があります。
自分の弱点をはっきり認識して、それを克服するための努力を日々繰り返すのです。
「やり抜く力」が強いということは、慢心しないことでもあります。
GRITを強くするステップ3:目的
自分の仕事は重要だと確信してこそ、「情熱」が実を結びます。
目的意識を感じないものに、興味を持ち続けるのは難しいのです。
早くから目的意識に目覚める人もいるが、多くの場合は、一つのことに興味を持ち続け、何年も鍛錬を重ねた後に、「人の役に立ちたい」という意志が強くなるようです。
GRITを強くするステップ4:希望
希望は困難に立ち向かうための「粘り強さ」です。
最初の一歩を踏み出すときからやり遂げるときまで、ときには困難にぶつかっても立ち上がる姿勢は重要なのです。
大小さまざまな挫折を経験して、打ちのめされる。
そこから立ち上がることで、また「やり抜く力」は発揮されます。
全体を通して13章からなる本書はこのように構成されています。
構成まとめ
- はじめに
- 第1章 「やり抜く力」の秘密
- 第2章 「才能」では成功できない
- 第3章 努力と才能の「達成方程式」
- 第4章 あなたには「やり抜く力」がどれだけあるか
- 第5章 「やり抜く力」は伸ばせる
- 第6章 「興味」を結びつける
- 第7章 成功する「練習」の法則
- 第8章 「目的」を見出す
- 第9章 「希望」が背中を押す
- 第10章 「やり抜く力」を伸ばす効果的な方法
- 第11章 「課外活動」を絶対にすべし
- 第12章 まわりに「やり抜く力」を伸ばしてもらう
- 第13章 最後に
第4章には、実際に「やり抜く力」を計測できる項目や、「成功する」ための練習の法則など蓄積されたデータに基づいた理論が具体的に記されています。
後天的に伸ばすことが出来る「やり抜く力」であるGRIT(グリット)。
何かやりとげたいことがある方には、自信をもってオススメ1冊です!
GRITについてはこちらの記事でも書いています。