『起業』と聞くと
- 務めていた会社を辞める
- 一生懸命貯めてきた資金をつぎ込んで、ワンチャンスに賭ける
そんな「人生の一大事」がイメージされるのではないでしょうか?
貯金はいりません。
会社を辞める必要もありません。
主婦の方でもできます。いや、むしろ向いているかもしれません。
年齢も問いません。シニアの方には、セカンドライフの大チャンスでしょう。
(中略)
ビジネスの種はいくらでも転がっていること、そして、あなた自身もそれを1つや2つすでに持っていることに気づくはずです。
引用:「1万円起業」p4より
「1万円起業」の基本モデル
著者のクリス・ギレボーによると、アメリカとカナダの65都市と世界15カ国で1500人以上の「マイクロビジネス」を行った何らかの理由で職を失った「予期せぬ起業家」たちのほとんどがこう述べています
「仕事を失ったのは、人生で最高のできごとでした」
引用:「プロローグ」p20
さらに、彼らのほとんどに共通するのは、ビジネスを立ち上げて顧客を掴むまでにかかる費用の少なさと期間の短さです。
思いついてから起業するまで、現在では100ドル(1万円)未満の資金と、1ヶ月たらずの期間があれば良いといいます。
そして、何らかの理由で職を失った「予期せぬ起業家」たちは、次の6つのうち、少なくとも4つの基準に合致しているということです。
- 情熱主導型モデル
- 超・低コスト
- 利益が少なくとも年間5万ドル(500万円)
- 特別なスキル不要
- 収支の完全公開
- 従業員5人未満
違法行為、アダルト産業や不透明な事業はすべて除外されています。
①情熱主導型モデル
趣味や、夢中になっているものをもとにしてビジネスを生み出している。
(ただし、情熱だけでは大きな利益に結びつくとは限らない。)
②超・低コスト
企業資金が1000ドル(10万)未満、特にごくわずかな費用で100ドル(1万円)未満ではじめた例がほとんど。
③利益が少なくとも年間5万ドル(500万円)
10万ドル(1000マン円)以上の高利益を稼ぎ出しているビジネスも多いが、基準は年収5万ドル(500万円)。
④特別なスキル不要
ごく普通の人がいビジネスを成功させた例を知るため、誰でもできるものばかりを選択。
ある種のスキルを必要とするものもあるが、短期間の訓練か余暇を利用した自主的な学習で身につけられるもの。
⑤収支の完全公開
調査協力者は、少なくとも過去2年間の実際の利益の公開に同意。
さらに、収支について具体的に話すことについても同意。
⑥従業員5人未満
ほとんどが完全に一人で経営しているビジネス。
その他でも、規模を小さく、少人数に保っている。
マイクロビジネスがうまくいく「たった3つ」のルール
- 「共通部分」を探す
- スキルを転用する
- 魔法の薬」
ルール①:「共通部分」を探す
「共通部分」とは、自分が好きなことや得意なことと、他人の興味が重なる部分です。
自身の情熱と他人の興味が一致する部分なら、自由と価値に基づいたマイクロビジネスが発生する余地がある。
他人の興味が強い場合、喜んでお金を払うためビジネスとして成功する。
ルール②:スキルを転用する
必ずしもそのために使われるスキルではなく、関連したスキル。
つまり、自分が得意なスキルは1つではない。
必ずしも特定の分野の第一人者である必要はなく、自分が持っているスキルの組み合わせで他人の役に立ちそうなものついて考えるとスキルの転用ができてしまう。
ルール③:「魔法の薬」
ルール①とルール②を組み合わせると、マイクロビジネスが生まれる。
情熱やスキル + 有用性 = 成功
立ち上げに必要な「たった3つ」のこと
テクノロジーが発達した現代では、次の3つでビジネスの立ち上げが出来てしまう。
- 製品またはサービス=あなたが売るもの
- 代金を払ってくれる人びと
- 支払いを受ける手段=製品またはサービスとお金を引き換える方法
マイクロ位ビジネスは目新しいものではなく、商業が始まって以来ずっと存在しています。
変わったのは、市場テスト、立ち上げ、事業の拡大を短期間に安くできる環境です。
ビジネスを始めるには
- 製品またはサービス
- 代金を払う意欲のある人びと
- 支払いを受ける手段
の3つが必要です。
たった1つでも得意なことがあれば、他の分野にも応用できる可能性があります。
多くのプロジェクトが、関連する別の分野への「スキルの転用」から始まっているからです。
以降の章では、ビジネスプランの作成方法、マーケティング戦略、コピーライティングや売り込み方法、事業戦略の見直しなどについて幅広く書かれた良書です。
自分の情熱とスキルを他人にとって有益なものと一致させることで、マイクロビジネスは成立します。
起業や独立に興味がある方は、ぜひマイクロビジネスから小さく始めてみましょう!