新聞・雑誌・書籍・ネットから効率良く情報収集する「最強の読み方」

 

情報に溢れた現代。
その中から欲しい情報を効率良く集める方法は、もはや「技術」です。

そこで今回は、情報収集のプロであるジャーナリストの池上彰さんと作家の佐藤優さんの『最強の読み方』(著 池上彰,東洋経済新聞社)をご紹介します。

プロが新聞・雑誌・ネット・書籍から情報収集するリストや選び方、また読み方の技術の紹介です。

効率良く情報収集するコツは、その媒体(新聞・雑誌・ネット・書籍・教科書・学習参考書)の特徴に合わせたものでした。


(「2軸思考」、「図で考える。シンプルになる」の図解術を組み合わせて作った『最強の読み方』の図解)

本書の構成

  • はじめに 池上彰
  • 序章 毎日やっている「読み方」の公開
  • 第1章 新聞の読み方ーどの新聞をどう読むか。全国紙から地方紙まで
  • 第2章 雑誌の読み方ー週刊誌、月刊誌からビジネス誌、専門誌まで
  • 第3章 ネットの使い方ー上級者のメディアの使い方
  • 第4章 書籍の読み方ー速読、多読から難解な本、入門書の読み方まで
  • 第5章 教科書・学習参考書の使い方ー基礎知識をいっきに強化する
  • 【特別付録1】 「人から情報を得る」7つの方法
  • 【特別付録2】 本書に登場する「新聞」「雑誌」「ネット(サイト)」「書籍」「映画・ドラマ」リスト
  • 【特別付録3】 池上+佐藤式 70+7の極意の一覧
  • おわりに 佐藤優
  • 【巻末付録】 読んでいる媒体別リスト(新聞・雑誌・国内サイト・海外サイト)
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毎日やっている「最強の読み方」:情報収集のポイント

雑誌や書籍、ネットもそうですが、読むことは「手段」であって「目的」ではありません。

(「序章」より)

本書では、「新聞」「雑誌」「ネット」「書籍」「教科書・学習参考書」の5種類の媒体別ついて、大きく分けると「大前提(概要)」「種類」「選び方」「読み方」を紹介しています。

「新聞」「雑誌」「ネット」「書籍」にはそれぞれ違った読みこなす技法があり、それを身につけることで、それぞれを読みこなすスピードと質、速さと深さが劇的に変わるということです。

取得したい情報の目的、種類に合った媒体を選ぶことが重要になります。

新聞からの情報収集する方法

新聞が「世の中を知る」ための基本かつ最良のツールであることは、今も昔も変わらない。

著者によると、いつくかの問題点はあるものの、日常の情報源として新聞は一面からめくっていけば、政治、経済、国際情勢、そして文化やスポーツを含めて世の中の動き全体を、短時間でざっと俯瞰できるのはやはり優れているということです。

「一覧性」において新聞に優るものはないと述べています。ネットが普及した現在でも、新聞の影響力は小さくならない「第一次情報は新聞」というケースが多いということ。

ニュースサイトで配信される記事の多くは新聞社や通信者が配信したもので、SNSや個人ブログでリンクを貼られている情報をたどっていくと、「第一次情報は新聞」というケースは非常に多いということです。

世の中のリアルな情報を知るには、新聞を読むことが不可欠ということ。

新聞の選び方

  • 「最低2紙に目を通す」が絶対条件。その内、1紙は定期購読。(本書では新聞名まで書かれています。)
  • 1紙は保守系、もう1紙はリベラル系にして偏るのを避ける。
  • 最初に「日本経済新聞」を読むのはハードルが高いため、一般誌から読み始めるのが良い。

新聞の読み方

  • 「飛ばし読み」が基本。「見出し」と「リード」に目を通し、迷ったら読まない。
  • 時間の許す範囲で、ベタ記事やコラム欄にも注意を払う。(小さなコマでも後に重大なニュースになるため)
  • 電子版の方が紙よりも速く読める。(毎朝5時頃に更新され、最終版と同じ紙面を読める。)

新聞記事の保管・整理方法

  • エバーノートに保管。
  • スクラップ・サービスを利用する。

雑誌からの情報収集する方法

雑誌の世界は、電子雑誌の「定額読み放題サービス」の登場で一変。

従来の紙の雑誌1冊分、あるいはそれ以下のコストで多種多様な雑誌を読めるため大革命であるといいます。

雑誌はパラパラ読んでいると、意外な情報に出会うことがあるとのこと。そのため、雑誌は「興味や関心、視野を広げる」のに役立つということです。

書籍よりも情報が早いため、経済やビジネスの動きを初動でざっと押さえるには便利。

探している情報の全体のフレームを大づかみにするのに良い。

雑誌の選び方

  • 「興味がある記事や特集があれば購入する」という付き合い方で良い。
  • 「読みたい記事が2−3本あれば購入する」が基本方針。

雑誌の読み方

  • 読む時間の「器」を決めて、「拾い読み」が基本。
  • 「理解できる記事だけをピックアップしてよむこと」が大切。
  • 海外雑誌は「見るだけ」でも勉強になる。

「雑誌」からの情報収集は、450冊以上が読み放題の「dマガジン」がオススメです。

ネットからの情報収集する方法

ネットの情報は玉石混交で、そこから「玉」だけ選ぶのは、かなりの知識とスキルが必要。

著者によると、ネットは実は「非常に効率が悪い」メディアとのこと。二次情報、三次情報が多いといいます。

同じ時間をかけてニュースを読むにしても、新聞社の無料サイトを見るのと、新聞紙面で読むのとでは、とれる情報量がまったく違うということです。

また、知りたいことだけを知ることができるため、ネットには自分の偏見が増長される仕組みもあるといいます。

ネットでの情報の選び方

  • ニュースサイトは、NHKの情報が早い。
  • 調べ物はネット検索より、辞書・事典サイトが便利。
  • 公式筋のWebサイトの基礎データは役に立つ。
  • 情報は、資料や原文を当たる。(ネット最大の利点)
  • 海外メディアの情報については、ネットが速くて便利。(本書では、便利なサイトのリストが見られます。)

ネット情報の管理方法

  • エバーノート
  • クラウドサービス(ドロップボックス・Google Drive・iCloudなど)

書籍からの情報収集

世の中を「理解する」には書籍が基本ツール。

著者いわく、基礎知識は書籍でしか身につかないとのこと。
新聞・雑誌・ネットを熱心に読んでも、土台となる知識がヌケていると、自分の頭でニュースや記事を深く理解することはできないといいます。

そして、ベースとなる知識を身につけるには、「情報の新しさ」よりも「記述の信頼度」と「体系的」かどうかが重要だということです。

セミナーや講演会に出るのに比べ、本から得られる情報は「安い」ので、費用対効果は非常に良い。

本の選び方

  • 「情報の新しさ」よりも「記述の信頼度」と「体系的」に書かれているかで選ぶ。(基礎知識を身につけるため)
  • リアル書店に行って、知りたいジャンルの棚を見る。(リアル書店は俯瞰性の高さが非常に良い。)
  • 本選びには「大型書店の専門書売り場の書店員の知識」と「帯情報」を活用する。
  • 新しい分野の本は、まとめて数冊購入して理解できるまで何度も読む。(その分野に関する基礎知識になる。)
  • 内容を正確に質を落とさず、分かりやすい入門書で時間を節約。(本書では、おすすめの出版社の名前があげられています。)

本の読み方

  • 読み飛ばす本も「はじめに」「終わりに」は必ず目を通す。
  • 本との向き合い方を決める(「勉強用の本」と「娯楽用の本」や「現時点で理解できる本」と「理解できない本」など。)
  • 「読んだら終わり」にせず、自分なりに考えて読書メモを取る。
  • 読書をするための時間は「逆算の発送」で捻出する。(「1日にこれだけ読む」と決めると実現しやすい。)
  • 移動時間やスキマ時間にも読む。(iPadなどの電子書籍が便利)

教科書・学習参考書からの情報収集

まずは「知の型」「思考の型」を身につけるのが大切。

著者いわく、いくら書籍をたくさん読んでも、その分野の「基礎知識」がすっぽり抜け落ちていると、上手く知識が積み上がっていかないとのこと。

教科書や学習参考書というのは知っておかなければならない知識や思考法が詰め込まれたものといいます。

優先順位を定め、自分に必要な知識を補強するようにするのが良い

教科書・学習参考書の選び方

  • ビジネスパーソンがぜひ手にするのは、「公民」と「歴史」、「国語」と「英語」の教科書。
  • 時間のないビジネスパーソンに「世界史A」「日本史A」はおすすめ。
  • 英語習得には、中学教科書の例文丸暗記。(本書では、おすすめの英単語教材の名前が載っています。)
  • 外国語修得に必要なのは「モチベーション」「時間」「お金」

教科書・学習参考書のの読み方

  • すべての勉強の基礎になるのは、なんといっても読解力。
  • テキストが書かれた分ミャウを理解しながら、その著者の意図に則して読むことがまずは大切。
  • 現代文を通じて、読解力と同時に論理的思考能力も鍛えられる。
  • ビジネスパーソンが短期間に基礎知識を強化するならば「スタディサプリ」が良い。(「やり直し勉強法」として最適。)

 

作家の佐藤優さんとジャーナリストの池上彰さんのお二人が毎日やっている「読み方」の公開から始まり、本編では「新聞」「雑誌」「ネット」「書籍」「教科書・学習参考書」を、さらに具体的な手法や書名などのリストも包み隠さず一挙に公開されています。

情報が溢れている現代において、情報収集の重要性に気付いている方は、ぜひ読んでみてはいかがでしょうか。

ネット以外の情報源にあげられている「雑誌」からの情報収集は、450冊以上が読み放題の「dマガジン」がオススメです。

本記事で使用するために作成した図解術の考え方については、こちらの記事にて紹介しております。

>>シンプルに情報を整理するコツは『考える枠を考える』

>>図は、考えを磨き上げるツール。知識を体系的に理解する図解術とは?

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