自力であらゆる目標を達成する「独学術」

『最強の独学術』(著者:本山勝寛 大和書房)のプロローグの一節にこうあります。

私は、貧しい家庭で育ちました。高校時代、親は家におらず、収入はゼロ。
しかたなく、家計を支えるために毎日アルバイトを続けてきました。

(中略)

塾や予備校に通うことは選択肢にすらありません。
まず、東大合格のために必要なプロセスを徹底的に分析し、自分で戦略と計画を立てました。
すると、合格への道筋がイメージできるようになり、「0から1」ができました。

(「プロローグ」より 4ページ)

そして、1年間の独学で無事に東大に現役合格した著者は、そのとき掴んだ「独学の極意」は、その後も、勉強やビジネス、その他のどんなことにも応用できる、夢を叶えるための究極の力となっていると言います。

独学と言うと、受験や試験のための勉強というイメージがありますが、人生の幅と世界を広げるための教養的な学び、あるいは生涯を通して夢を実現させるための長期にわたる学びも、独学で解決できるというのです。

なぜ、いま独学が重要なのか?

今回は、本書で述べられている「独学が最強である理由」について紹介したいと思います。

本書の構成

  • プロローグ
  • 独学が最強である理由
  • 必ず目標を達成するための独学術
  • 教養を深めて人生の幅と世界をひろげる独学術
  • 一生学び続ける秘訣をつかみ夢を叶える独学術
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現代は、最も独学に適した環境である。

時代が大きく変化しているからこそ、塾や予備校などの組織に属して学ぶのではなく、著者は自ら独立して学ぶ力、「独学力」が求められているのだといいます。その理由として、著者が注目していることの1つが「現在はいつでもどこでも無料で良質な授業を受けられる」です。

インターネットには、ハーバード大学やマサチューセッツ工科大学(MIT)など世界のトップレベル大学の授業がたくさん無料で公開されています。自ら学ぶ意思さえあれば、いますぐにでもハーバード大学の授業を聴講することができるのです。

(19ページより)

学校に行かなくても、高いお金を払って塾や予備校に行かなくても、分かりやすい良質な授業を、いつでもどこでも受けられる時代が実現しようとしていること。独学に適した環境は、今後さらに進展し、ますます整っていくと予想されます。そんな時代に移り変わっているからこそ、いかに自ら学ぶかということが試されるようになるということです。

勉強にもビジネスにも効果抜群の「最強の独学術」とは

著者が本書で述べている「最強の独学術」は、勉強だけでなく、ビジネスの成果にも聞いていくるような独学力を指しているといいます。

社会人になると、学校で教わる機会はほとんどなくなります。いわゆるOJT(オンジョブトレーニング)、あるいは上司や先輩が実践を通じて教えてくれることもありますが、新しい分野や業界のことを自ら学び、修得しなければいけないことが大半であることも事実。つまり、そんなときにこそ、身につけていた独学力が効いてくるというわけです。

どんな分野に対しても「ドキドキワクワク」するような知的興奮を見出し、いつでもどこでもすぐに自分で動いて学びを実践し、時代とともに変化していくような複雑な問題に対して自ら絶えず考え抜いて対応していく。そんな独学力こそが、あらゆるビジネスにおいても成果を出すための力になるでしょう。

(31ページより)

著者が以前に、『16倍速勉強法』と『16倍速仕事術』において、「勉強も仕事の成果も、地頭×戦略×時間×効率」という仮説のもと、それぞれの要素を2倍にすることができれば16倍の成果を発揮できると説いています。

本書で紹介している「最強の独学術」とは、まさにこの4つの要素を自ら伸ばせるようになるための実践法なのだということです。

論理的思考力や数値的な分析力、表現力などの「地頭」をよくし、先生や会社が教えてくれなくても自らが有効な「戦略」を立てられるようにし、「効率」的な勉強や仕事の仕方を工夫できるようになり、勉強でも物事に継続的に取り組む実践「時間」を確保するコツをつかむ。その結果として「地頭」「戦略」「効率」「時間」の4つの要素が自然と伸び、それらが掛け合わされることで、勉強でもビジネスにおいても力が伸びていくといいます。

短期目標から長期目標まで3つの独学

著者は、本書にて独学について「独学1.0(短期的独学)」「独学2.0(中期的独学)」「独学3.0(長期的独学)」と3種で説いています。

<短期的独学=独学1.0> 試験を難なく乗り越える

受験や資格試験、語学習得、留学など今すぐ達成したい短期の勉強目標を持っている方向けの独学方法です。

独学のほうが、他人に勉強させられるのと違って自ら主体的に、自分に合った学習スタイルを実践できるので、塾よりもずっと効果的なのだといいます。

定めた目標期日までに、受験も合格し、資格も取得し、語学試験も目標スコアを達成し、留学も達成できるというわけです。

その具体的な独学法が、Part1で紹介されている<独学1.0>になります。

<中期的独学=独学2.0> 教養を楽しく極める

この独学は、5年後、10年後に芽を出し花を咲かせるための種まき、投資としての独学方法です。

いわゆる教養を深め人生の幅をひろげるという行為が実は人生において非常に重要なファクターとなるといいます。

教養を深める行為とは、読書や様々な経験、自分の仕事や専門とは異なる分野からの気付きやインスピレーション、文章や創作によるアウトプットなど。ハーバードなど欧米のトップ大学では、こういった中期的に効いてくるリベラルアーツ教育を重要視して実践しているのだそうです。

教養というと堅苦しくて難しいイメージがありますが、新しい時代に合った学びのスタイルを取り入れて実践することで、より楽しく、より効果的に、そして長きに渡って継続できるのだそうです。

中期的なスパンで教養を深め、人生の幅をひろげる独学法が、Part2で紹介されている<独学2.0>になります。

<長期的独学=独学3.0> 目標と夢を叶え続ける

これから日々変化していく未来社会に対してもしっかりと対応し、長期的戦略と継続的な取り組みを通じて夢をかなえ続けるための独学法です。

短期の戦略・戦術と中期、長期のビジョン・戦略を一致させ、そのうえで自らが独立して学び続けることで、確実に夢を叶えることができるのだそうです。

このことを著者は、「他人から押し付けられたノルマとしてではなく、自らがドキドキワクワクを極めながら学ぶことで、一生学び続けられる自家発電の無限のエンジンを自分のなかに持つことできます。」と表現しています。

どんな環境でも、どんな条件でも、短期戦でも長期戦でも、自力であらゆる目標を達成し続け、必ず勝利へとたどり着く力を自分のなかに持てるからこそ、最強なのです。

(40ページより)


 

このように「独学が最強である理由」から始まり、本編には、必ず目標を達成するための独学術の「独学1.0(短期的独学)」、教養を深めて人生の幅と世界をひろげる独学術の「独学2.0(中期的独学)」、一生学び続ける秘訣をつかみ夢を叶える独学術の「独学3.0(長期的独学)」の具体的な手法について紹介されています。

達成したい目標や叶えたい夢がある方は、環境や条件・境遇などが関係ない「最強の独学術」がおすすめの1冊です。

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