「Webコピー」と聞くと、いわゆる「長い文章」を思い浮かべる方が多いと思います。
それとは逆に、今回紹介する「マイクロコピー」は「短い文章」です。
『ザ・マイクロコピー』(著 山本琢磨, 秀和システム)の著者いわく、マイクロコピーとは、ボタンや文字やフォームまわり、エラーメッセージ、写真のキャプションなど、非常に細部の箇所の短いコピーを指します。
スマートフォンなどの小さなデバイスが主流の現在、Webのコピーライティングには今まで以上の簡潔さが求められているということです。
その結果、誕生した「マイクロコピー」。
セールスレターを模したとても長い記事LPに、膨大な時間と手間をかけて作り込むのではなく、ボタンの下に挿し込む一行のマイクロコピーが絶大な効果を発揮します。
(「ザ・マイクロコピー」メモ)
マイクロコピーとは
「マイクロコピー」と名付けられたこの強力なコピーは、UI/UXの専門家に重大な気付きを与えたといいます。
適切なタイミングで、適切なメッセージを追記することで、ユーザーの行動を大きく変えられることが分かったからです。
私達が何かをクリックしたり、記入するときには、その周りに書かれているコピーを頼りにしています。形やデザインだけでは、人は正しい行動を取るのが難しくなります。マイクロコピーは、小さくても、重要な意味を持つのです。
kindle版 p.24「マイクロコピーは至る所に存在する」より
マイクロコピー概要
- 適切なタイミングで、適切なメッセージの「小さなコピー」は大きな変化をもたらす
- コストをかけずに最短で成果が出る
- 競合にコピーのロジックが気付かれにくい
マイクロコピーが効果を出しやすい3つの理由
マイクロコピーがなぜ効果を出しやすいかというと、筆者はスタンフォード大学のBJフォグ教授によってまとめられた「お客さんに行動を起こしてもらうための3要素」である「モチベーション」「行動障壁」「トリガー」をすべて満たすためだと説明しています。
お客さんに行動を起こしてもらうための3つのポイント
- モチベーションが高い人を狙うため
- お客さんにとっての行動障壁を下げるのに効果的
- 行動のきっかけとなトリガーになることが得意
モチベーションが高い人を狙うため
強く動機づけされているお客さんほど、実際に行動をしてくれます。
コンバージョンボタンを「押すかどうか迷っている」ところまで来ている人や、商品をカートに入れた状態のお客さんは、すでに高いモチベーションを持っているのです。
マイクロコピーはそうした人たちに向けたコピーなため、効果が出やすいのです。
お客さんにとっての行動障壁を下げるのに効果的
モチベーションが高かったとしても、なにかしらの「行動しないorできない理由」を抱えています。
それを解消してあげるのにもマイクロコピーは役に立つということです。
行動を妨げる6つの障壁
- 時間がかかる
- 費用が高い、思いがけない追加コスト
- 肉体的許容性(働きたくない)
- 頭脳的許容性(考えたくない)
- 社会的な逸脱(後ろめたさがある)
- 成果を出すまでに、繰り返しの必要性(ルーティン)
行動のきっかけとなる合図を出すことも得意
「モチベーションが」と「行動障壁」をクリアしていて、これだけではまだ足りない場合、トリガー(引き金)が必要になります。
行動のきっかけとなる3種類のトリガー
- ファシリテーター型:不安、懸念、義もんを取り除くなど、行動しやすくするもの
- スパーク型:ベネフィットなど、行動への意欲をかき立てるもの
- シグナル型:行動の後押しとなる情報を知らせたり、思い出させたりするもの
その他の章では
- マイクロコピーの改善方法(ツール紹介など)
- 会員獲得を用意にするマイクロコピー
- メルマガ読者を楽に増やすマイクロコピー
- 思わずクリックしたくなく強力なコンバーションボタンのマイクロコピー
- オリジナルマイクロコピーの設計方法
その他にも実際に使われているマイクロコピーを実例を交えて詳しい解説をしています。
オリジナルマイクロコピーの設計方法では、初めての方でも考え方のフレームワークや穴埋めワークシートによって簡単にオリジナルマイクロコピーを作ることができるようになっています。
Webコピーで成果をもっと伸ばしたい方には、自信を持っておすすめできるコピーライティングの教本です。
成果が劇的に上がるのにも関わらず、競合から真似されづらいマイクロコピー。
ぜひ、その威力をお試しください。