「メモ」のとり方がわからない。
「メモ」は、いわゆる情報を書き留める一時的なもの。
という考えの方も多いのではないでしょうか?
ところが、「メモ」は頭を整理したり、アイデアを出したり、資料の下書きをつくったり…と、仕事の中の大切な行動に関係しています。
そこで今回は、日常的に物を考える仕事である「コピーライター」のメモ術について、『すごいメモ。』(著 小西利行)をご紹介します。
メモは役立てるうえで「整理」「設定」「考察」「発見」「支持」の5つに関わってくるものだったのです。
メモの取り方を変えたら、人生が変わった。
それ、あなたにもきっと起こることです。(「はじめに」3ページより)
本書の構成
はじめに
序章 未来メモをはじめよう
第一章 まとメモ
第二章 つくメモ
第三章 つたメモ
第四章 たつメモ
おわりに
「記憶に頼らない」未来メモという考え方
著者いわく、記憶に頼らず、時間が経っても腐らないメモを書く技術が必要。
- いつでも、メモを見るだけでそのときの発言やポイントが思い出せて、何を考えるべきかが、すぐに分かるメモ。
- 未来の自分に、考えるきっかけを残すメモ。
みなさんが考える一般的な「メモ」は「過去メモ」です。すまり、いま聞いている情報や考えを書き残すもの。決して未来の自分へ向けたメッセージではないでしょう。でも、その「過去メモ」から「未来メモ」への転換こそが、あなたのビジネスを大きく変えるきっかけでもあるのです。
(「未来メモと言う考え方」6ページ)
著者は、これまで会ったさまざまな人たちの出会いから、仕事のを滞らせている2つの理由に気づいています。
- 情報過多:情報の多さに混乱し、何を考えていいのかわからなくなる。
- 頭の切り替えの難しさ:たくさんの仕事を抱えていて、別の仕事へと切り替えるまでに頭が整理できず、すごく時間がかかる。
この2つの滞りを改善できる方法こそ「未来メモ」という考え方。
見るだけで瞬時に考えるポイントがわかり、即座にやるべきことに着手できるため、飛躍的に仕事が早くなるということです。
結果や情報だけを書き残したメモは、時間がたつと腐り、何が書いてあるか理解出来ないメモになってしまいます。
だからこそ、時間がたっても腐らないメモになるように、あらかじめ「後で見返す自分がわかるように」書いておくべきなのです。そのためにも、まずはメモを見返している自分を想像し、「未来の自分」に教えるようにメモをとってください。たとえば、「どこから考え始めるべきか?」「どこがポイントか?」を書き残すなど、どうすれば未来の自分に伝わるかを考えることが大切です。
このような「考えるとっかかり」が書かれたメモは、仕事の効率を上げるだけではなく、新しいアイデアも生み出しやすくなるのです。(「未来メモをはじめよう」28ページより)
まとメモ
情報をシンプルにまとめて、仕事を効率化する。
- 重要だと思った情報や文章に「○」を付ける。
- 矢印「←」を使って、情報の関係を明確にすることで、考える順番や目的をわかるようにする。
- 思いついたことを「記号」で残すことで文字を書くよりもスピードを上げる。(例)○✗、?、☆
- 「吹き出し」を使って、未来の自分に「こう考えてね」「ここを解決してね」という調理法を残しておく。
- 未来の自分が検索しそうなワードでタグ付けして、後で検索する。
記号や吹き出しを加え、ただの情報を「使える情報」として整理することで、仕事の効率を何倍にも引き上げ、アイデアをつくるペースを生み出せるということです。
つくメモ
情報をまとめたメモからアイデアを作り出す。
- 目的を明示して、超えるべきハードルを生み出すことで、考えるきっかけを生み出す。(まるメモ)
- イラストやセリフを追加することで、メモの中に共感できるポイントを増やす。(マンガメモ)
- ユーザーの不満から隠れニーズを探る(ブラック三角メモ)
- 目的とターゲットの興味の両方を見つけ、組み合わせでたくさんのアイデアを考え、そこからいいものを選ぶ(ホワイト三角メモ)
- 思い浮かんだことを「←」でつないでいき、答えの方向性を探す。(つなぎメモ)
- 一般的な考え方の「原因→結果」ではなく、「結果→原因」で発送する。(あまのじゃくメモ)
アイデアを考えることは難しいことではなく、誰もが手にできる「技術」だということです。
つたメモ
「まとメモ」「つくメモ」を使って、わかりやすく伝えるメモ術。
- 読みたくなるようなひと言で、企画書や資料を伝わりやすくする。(見出しメモ)
- 迷ってしまう難しいことは、図で示す。(図メモ)
- 書籍のタイトルをヒントに作成した数枚のメモで、現行を読まずまっすぐ向いて話す。(スピーチメモ)
これらのメモ術を使うことで、より興味深く、正確に、意思が伝わるようになるということです。
本記事で取り上げたメモ術の具体的な方法について、本書にて実際の使用例や図を使って詳しく紹介されています。
そして、本書でも述べられているように、アイデアは誰にでも使える「技術」によって簡単に考えることができます。
普段の生活や仕事をより良いものにするために、現役コピーライターが使っている発想の視点を試してみてはいかがでしょうか。