そもそも人間には怠け癖があります。
新しい仕事や面倒な仕事を増やしたくない、
と思うように、「現状を変えてまで大変なことをしたくない」というのが人間の本心です。
今回ご紹介する『結局、「すぐやる人」がすべてを手に入れる』(著 藤由辰臧,青春出版)ではこう述べています。
チャンスや情報が入った際、10秒の間に動くことができる人はすべてを手に入れ、10秒以上もの時間をかけても動けない人は何も手に入れられなくなる、ということです。
引用:p6 「はじめに」より
コーチングや心理学を学び、多くのをビジネス現場を見てきた筆者は「人間の行動の法則」から「一瞬で行動に移せるようになるための方法」について紹介しています。
大切なのはチャンスが訪れた時に「すぐに行動に移せるかどうか」
成功する人と成功しない人の違いに、実は大きな違いはないと言われています。
能力や知識や学歴などは確かに違いますが、人生そのものを左右する大きな差ではないといいます。
成功する人、周りから評価・信頼をされる人たちと、そうでない人達の間に確実に存在する違いが「すぐに行動に移せるかどうか」だということです。
チャンスが訪れたときに、すぐに飛び乗れるかどうか。
本気でやりたいことが見つかったときに、すぐに動けるかどうか。
人から進められたことを、すぐに実行に移せるかどうか。
引用:P5「はじめに」より
この行動力で、すべてが決まってしまうのです。
実業家のアンドリュー・カーネギーもこう述べています。
「チャンスに出会わない人間は一人もいない。それをチャンスに出来なかっただけである。」
本気でやりたいと思ったことができたときに、動けるかどうか。それが人生を大きく左右します。
すぐに動けない人は、「あーだ、こーだ」と考えた末に、チャンスを逃してしまうのです。
行動力をたった10秒で変えるヒミツは「気分」と「視座」にあった
著者は、行動するために何より大切なのは「気分」であると述べています。
「気分」と「モチベーション」は混同しがちですが、異なる意味だということです。
「モチベーション」:同期や結果に対する意欲。
「気分」:快・不快など、ある期間持続する、やや漠然 (ばくぜん) とした心身の状態。(デジタル大辞林より)
「仕事で結果を出したい」「この仕事はやりがいがある」と思っているのに、やる気が削がれたり、面倒くさくなってしまうのは、人の行動はモチベーションが支配しているのではなく、行動力は「気分」で決まるからなのだそうです。
そしてもうひとつ大事なこととして「視座の転換」をあげています。
何かをする時やしている時に、動けなくなったり、思考停止したりしたとき、「視座」を変えることで簡単に行動力が高まるのだといいます。
「視座」とは、物事を見るときの「視点と立場」のこと。
上司に報告や連絡をしなければいけないとわかっているのにできない人は、上司の反応を想像し「怒られるんじゃないか」と不安になり動けなくなっているのです。でも考えてみて下さい。本当は上司の反応を気にしているのではなく、自分のことを守りたいだけではあありませんか?
上司からすれば、いつでも相談にはのるし、部下に不安や問題があれば解決できるのに、と考えているはずです。しかし、自分のことに気を取られていると、上司の期待を理解できません。
そこで10秒、想像してみましょう。
「もしも上司の立場だったら、部下であるあなたのことはどう見えているだろう」
上司の表情、姿勢、態度、口癖などを思い浮かべながら、なりきって思い描いてみてください。
引用:p12より
以降の章では、「すぐに行動できない人の10の習慣」「10秒で行動する人の思考法」「行動する人になる10秒マインドチェンジ」「結果につながる!周りを巻き込む10秒チェンジ」「10秒でゴールに近づく思考と行動のコツ」と続きます。
自分の視座を抜け出して、他人の視座からものを見る。
そこから、状況全体を俯瞰する視座から見る。
複数の視座をいくつも体験しながら解決策を探る方法について具体的に紹介されています。
もしもあなたが、行動できない、予定の先送りや締切り延ばしばかりしがちなら一見の価値ありです。