環境が大きく変化する今、こんなモヤモヤを抱えることはありませんか?
・これから仕事がどう変わるのかという不安
・これから必要な商品・サービスはどんなものだろうという迷い
・自分はこのままでいいのだろうかという悩み
このような正解のない問いに答えを出したい時、ふとした質問が人生を変える突破口になることがあります。
どんな質問が迷いや悩みを解消し、生きる道を切り開くヒントとなるのか。
脳科学者である茂木健一郎さんによる著書「最高の結果を引き出す 質問力」では、いい質問を生み出す方法が3つのステップで紹介されています。
質問の力で人生を変える
これからの時代に質問の力が必要なワケ
人は毎日質問を繰り返して過ごしています。質問とは、わからないことや悩み・迷いを解消するために行う行為です。
近年、デジタル化によって、仕事や働き方を見直す時代になっています。
漠然とした不安を解消したいとき、正解のない問題と対峙するとき、誰もやったことのない新しい事柄にチャレンジするとき、どのように解決策を見つけるのか。そのヒントとなるのが、茂木さんの伝える「いい質問」です。
いい質問は、現状を大きく変え、「自分自身だけでなく周りの人をも変化させる力を持ち」、悪い質問は、「自分自身の現状維持をすることに尽きて、なんの変化ももたらさない」といいます。
質問は、人生をポジティブにするものです。文句を言っているだけではものごとは動かないので、「これが今、わからない」「できない」と正直に認め、質問することによって前に進んでいきます。
引用:本書p4「はじめに」より
人生を変えるカギとなる質問とは
人生に変化をもたらすカギとなるのは、「モヤモヤとあいまいになった問題を、自分が実際にできる具体的な問題に書き換える質問」だといいます。
そして、たとえその答えがベストな解決法ではなかったとしても、やみくもに正解を探して動けなくなるのではなく、「今できる一歩を見つけて実際に行動すること」「ものごとを動かすこと」が、「カギとなる質問ができること」の意味だと述べています。
今目の前にあるこの一歩が、前より少しでもいい方向に近づくのであれば、それは十分にいい質問であり、いい答えである。これを「ベスト・エフォート形式(=やれる努力をしっかりやる)」と私は呼びます。
引用:本書p47「質問は人生を変える」より
人生を変える質問の3つのステップ
感情力
感情が、「質問のスターティング・ポイント」です。
質問をするためには、「なにか嫌だな」とモヤモヤや違和感を感じる力が必要です。
「こんなものか」と諦めたり、なんとなく現状に満足してしまわずに、自分の「嫌だ」という違和感をしっかりと感じることから、いい質問が生まれるということです。
メタ認知力
あいまいな違和感をいい質問に変えるには「感情と論理の橋渡し」が必要だといいます。そこで「メタ認知」がカギとなります。
「メタ認知」とは、自分の感情を冷静に観察し、「今、自分の状態はこうだ」「自分はこんな感情を持っている」と気づく力のことです。
引用:本書p53「質問力とはなにか」より
「こんなことが嫌だと感じている」とはっきりと言葉で認識することで、「変えよう」という具体的な行動にうつることができます。
論理力
論理力とは「具体的に解決につながるように提案する力」だと述べています。
モヤモヤとしたあいまいな感情をはっきりと言葉で認識したら、「どうしたら変えられるだろう」と自分で考え、実現できる具体的な一歩へと変えていく。
この最後のひと手間で、現実が大きく動き出します。
人生を変える質問はこうして生み出されるのです。
人生を変える「いい質問」「悪い質問」とは?
「最高の結果を引き出す 質問力」では、いい質問と悪い質問のそれぞれ5つの具体例をあげています。
今回はその中のそれぞれ1例を紹介します。
何度も同じ壁にぶち当たる「悪い質問」
・正解を直接求める
「正解は世の中のどこにもありません。」と著者ははっきり答えています。
ある条件の元では「こうするのがいい」といわれているデータがあるとしても、そのデータが必ずしも自分の問題に当てはまるとは限らないのです。
「理想的なこと」があったとしても、「理想的でない」からと諦めたりせずに、「今の自分にできることをやっていけばいい」と述べています。
結果が出せる「いい質問」
・本心に気づかせる
自分の感情を、ありのままに「こう感じている」とメタ認知するのには、長く時間がかかることもあるといいます。
「ここ(これ)ではないのかな?」
と問うことは、「実はとてもいい質問」だと著者は述べています。
何度も自分に質問し、ピッタリくるものに出会うまで問い続けることは、
自分の本心をつかむことになる「いい質問」ということです。
他にも、「質問力をさらに高める8つのアクション」や、「日常生活で活かす質問術」など、具体的な行動が起こせるヒントが多く解説されています。
巻末には「現状を変えるための質問」も紹介されていますので、参考にしてみてはいかがでしょうか。
「質問」とは、感情を見つめることで自分を知り、人生を充実したものへ切り開く力となります。
人生を変えるために、あなたは、自分に何を質問しますか?